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ニュースリリース

IT Mediaのエレクトロニクス分野技術・製品開発の最新動向を伝える情報サイト「EE Times Japan」で、当社グループ会社のアプリックスのM2M事業に関する記事が掲載されました

IT Mediaの「EE Times Japan」(1/16付)において、当社代表取締役 郡山龍が同社による取材を昨年末に受け、当社グループ会社のアプリックスが推し進めるM2M事業に関する記事が掲載されました。

本記事では、アプリックスが新たな事業としてM2M事業に注力する理由や、昨年末12月に発表した最新モジュール「JM1L2」を市場優位性のある価格で販売する狙い、アプリと機器をつなぐスマート家電アプリプラットフォームの構築などについて、取材記事として報道されました。

■EE Times Japanでの掲載記事 (2013年1月16日付) 
    
ガイアホールディングス 代表取締役 郡山 龍氏:    
100円で小型組み込み無線モジュールを売る、その狙いを明かします

EE Times Japan(EETJ) アプリックスは旧来、携帯電話機やデジタル家電などに向けた組み込みソフトウェアの開発を主力事業として手掛けてきました。なぜ、M2M( Machine to Machine)通信向け無線モジュールというハードウェア事業に乗り出したのですか。

郡山氏 確かに無線モジュールそれ自体はハードウェア製品ですし、それを商品として販売しているわけですから、当社(アプリックス)がハードウェア事業に乗り出したというのは、間違いではありません。ですが実は、ソフトウェアを作り、それを売って生計を立てていくという、当社の基本は変わっていないのです。ハードウェアを販売するふりをして、実はソフトウェアを売る。無線モジュール事業では、そういうビジネスモデルを描いています。

これまでも当社は、何度かビジネスモデルを変えてきました。当初に手掛けたのはパッケージソフトウェアです。CDのマスタリングツールなどを開発・販売していました。しかしその後、MicrosoftやAppleがOS自体にその機能を組み込んだので、そうしたパッケージソフトの市場は一気に消滅してしまったんです。

そこで次はJavaのソフトウェア開発に取り組み、携帯電話機やデジタル家電に向けてライセンス供与するビジネスに主軸を移しました。特に携帯電話機に広く採用が進み、事業として大きく伸びました。しかし、それにも転機がやってきます。Googleが非常にクオリティの高いプラットフォームをオープンソースの形態で提供し始めた。それで、携帯電話機向け組み込みソフトウェアのライセンスという商売が事実上、成り立たないという状態になってしまいました。

このとき、同業他社の多くは「上に逃げた」んです。つまり、アプリケーションソフトウェアやサービスという上位階層へとビジネスの転換を進めた。一方で当社は、「下に向かう」ことにしました。ミドルウェアからファームウェア、モジュールレベルのハードウェア、そして半導体チップまで、階層を「下へ下へ」と進むわけです。実際に今、製品化して供給している無線モジュールは、それ自体も、それに搭載しているチップも自社で設計したものです。

(中略)

EETJ 2012年12月に発表した最新品種の無線モジュールは、大量購入時の単価を200円に設定しています。ソフトの価値をこのハード製品の価格に上乗せしているというわけではなさそうです。

郡山氏 その通りです。ソフトの価値は別の形で提供して収益化します。ですからモジュール自体は、製造原価にほぼ近い価格で販売します。

最新品種の「JM1L2」は、ロット当たり2万個の場合に、日本の顧客に対して中国の深センにある工場での引き渡し価格を200円に設定しました。さらに、次に投入する品種では新たな設計で製造原価をさらに引き下げて、100円を切りたいと考えています。

(中略)

EETJ モジュール自体には利益をほとんど載せずに販売する。その狙いは何ですか。

郡山氏 世の中の全てのモノがネットにつながる。当社には、そうなったときに高い価値を生むソフトウェア技術があります。そこで稼ぎたい。そのためには、まず「全てのモノがネットにつながる」という世界を作らなければいけない。

例えば今、“スマート家電”などと銘打って、スマートフォンとの接続機能を備えた家庭用のエアコンや冷蔵庫や洗濯機などが製品化されています。節電につながることもウリの1つになっているようですが、電力の平準化を考えれば、家庭には他にも無視できない電力機器が数多くあります。寒い時期だったらこたつやパネルヒーターでしょうし、通年で使用するものもトースターやケトル、ヘアドライヤー、アイロンなど枚挙にいとまがありません。

でも、これらはどれ1つとして“スマート家電”化される気配がない。今、量販店では、アイロンが980円、こたつが3280円なんて値段で並んでいます。こうした低価格の民生機器をどうやってネットにつなげるか。言いかえれば、「全てのモノがネットにつながる世界」の実現を阻む障壁は何か、という問題です。それを調べていくと、やっぱりコストだと分かりました。

ネット接続機能を提供するモジュール自体のコストはもちろんですが、それだけではなく、機器メーカーがネット接続可能な製品を提供する際の“総コスト”を低く抑える必要がある。モジュールを組み込むために機器を改造する労力や、電波利用に関して当局の認証を取ったり、Android端末やiPhoneとの接続試験や認証を受けたりする労力も、総コストの一部として無視できません。

(中略)

EETJ 最新品種のJM1L2は、Bluetooth Low Energy規格に対応した無線モジュールです。「製造原価にほぼ近い価格」だとしても、200円まで下げられるのは何かカラクリがあるのではないですか。

郡山氏 2つ理由があります。1つは、当社はモジュールの製造方法が旧来からモジュールを手掛けている他社とは大きく違う。もっとも、プリント基板を製造したり、そこに部品を実装したりといった工程については、エンジニアリングの世界で長い時間をかけて確立されており、他社と違いを出すことはできません。秘密はその後の工程にあります。ファームウェアを書き込んだり、テストをしたり、電波利用の認証を取るために特性を調整したり。詳細は明かせませんが、こうした工程を全部自動化してコストを非常に低く抑えられる手法を、ソフト屋ならではの発想で編み出しました。

もう1つの理由は、今は当社にとって先行投資の時期だと捉えているからです。

実は、家庭内のあらゆる機器にネット接続機能が搭載されるようになると、ある問題が浮上してきます。それは、家電とスマートフォン、あるいは家電とクラウドサービスを1対1でつなぐ旧来のピアツーピア接続では、解決できない問題です。当社はそれを解決するためのソフトウェアソリューションを確立済みであり、将来にそのニーズが顕在化したとき十分なビジネスに育つと見ています。

そのためにもまず、「全てのモノがネットにつながる」という世界の実現を加速しなければなりません。ですから無線モジュール自体については、普及を加速すべく戦略的に価格を低く抑えています。モジュールだけでは、絶対にお金になりません。稼ぐのはソフトウェアです。

(後略)

(EE Times Japanより抜粋)

本件に関するEE Times Japanの記事

本件に関してアプリックスが発表したプレスリリース

2013年1月16日
ガイアホールディングス・グループ広報担当

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