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ニュースリリース

WirelessWire Newsで、日本が目指すIoT社会の姿および今後の変革に関する特別企画「日本のIoTを変える99人」の第1回目インタビューとして、当社代表の記事が報道

世界の通信業界関連のニュースを発信する情報サイトWirelessWire Newsでは、IoTは私たちの暮らし、仕事、産業をどう変えるのか、どのような技術やソリューションが生み出されているのかなどについて、「日本のIoTを変える99人」と題し、日本が目指すIoT社会の姿と今後の変革について、日本のIoTをリードする人たちへの取材に基づく特別企画の連載が始まりました。その第1回インタビューを、当社代表が受けた記事(前編)が報道されました。

今、アプリックスでは、IoTに必要なすべてのもの「通信モジュール」から「アプリケーション」「クラウド」まで、トータルソリューションとして提供しています。あらゆる場所であらゆる人がインターネット上の膨大な役立つ情報を活用できる、IoT時代における新しいサービスの実現を目指しています。IoTを実現するためには、そのコストを製品の価格に転嫁するのではなく、つながっている機器が提供する情報に価値があり、情報の価値をサービスとして提供することでコストを回収することが大切であると考えています。

アプリックスでは、昨日から開催されているCEATEC JAPAN 2015に出展し、当社のIoTソリューションの採用事例や、ボタンを押すだけで商品を販売できる補充発注ソリューションなどを、動体デモを用いて展示しております。ぜひとも、CEATEC JAPANのアプリックスブース(ホール3。Bluetooth SIGパビリオン内)にご来場ください。

■WirelessWire Newsの特別企画                                                                    
日本のIoTを変える99人

第1回:アプリックスIPホールディングス 代表取締役 郡山龍 (前編)

モノがネットワークにつながる世界の構築に関わることこそが“醍醐味”

Beaconサービスを手軽に始められる「MyBeaconシリーズ」、ボタンを押すだけでスマホアプリが起動して買い物ができる「お届けビーコン」、店舗に設置して近くにいる人を集客する「おもてなしビーコン」。矢継ぎ早にBeaconを活用したIoTソリューションを提供するアプリックスIPホールディングス(以下、アプリックス)は、IoT化の進展をどのように見ているのだろうか。同社の郡山龍代表に、IoTの今後の姿を予想してもらった。

プロフィール:郡山龍氏

アプリックスIPホールディングスの代表取締役 兼 取締役社長。郡山氏が1986年に立ち上げたアプリックスは、ソフトウエア開発などを中核にしたテクノロジー企業。Javaアプリケーション実行プラットフォーム「JBlend」が携帯電話や民生機器などに採用されて成長した。2012年にM2M向けICチップ「千里眼」を発表し、チップやモジュールの提供に事業を拡大。現在は、iPhoneやAndroid端末などと情報をやり取りできる「Beacon」関連事業に主軸を移し、IoTやO2O(オンラインツーオフライン)のソリューションを幅広く提供している。

IoTに対するビジョンや方向性を語るといっても、そもそもIoTが何かが1つに定まっているわけではなりません。Internet of Things、IoTの語源をたどると、もともとの大学教授が考えていたのはRFID(無線ICタグ)のシステムで、当時のIoTと今のIoTでもだいぶ違うように感じます。

お客さんと話をしていても、皆さんがIoTについて話す内容が違っていたりします。そもそも、どの観点でIoTの話をするかですね。ビッグデータやM2Mは、広義ではIoTの1つの側面かもしれませんが、Thingsという意味ではIoTそのものとは少し違う印象です。ビッグデータやM2Mに、おじさんたちはIoTのイメージを抱くかもしれませんが、若い人はもっとインターネットにつながるものを連想するでしょう。IoTに興味のある人のIoTと、そうでない人のIoTにも違いがあるでしょう。IPアドレスが振られていないとIoTとは言わない、と考える人もいます。「IoT」と一言でくくることができないのです。

1000年後は必ずIoT時代になる、それまでに何をするか

それでは、アプリックスがやっていることは何かと考えてみましょう。IoTというと、あらゆるものがネットワークにつながっている状態を考えますよね。それでは、1000年後の世界を想像してみてください。1000年後に「あらゆるものがネットワークにつながってない」世界が想像できるでしょうか。方法論や目的は別にして、1000年後にはあらゆるものがネットワークにつながっていることが当然と考えられないでしょうか。それでは、100年後はどうか。100年後もかなりのものがネットワークにつながっているでしょう。それではさらに近くの10年後はというと、まだ多くのものがつながっているとは言えないかな?と想像できます。そうすると、10年後から100年後の間に、なにか良いことがあると考えるわけです。

将来、あらゆるものがつながり、素晴らしいことができる社会がやってくる。我々はそう思っています。10年から100年の間にそういった世界ができるとすれば、その世界を創り出すことに関わっていくのが私たちのビジネスの醍醐味です。何が生み出せるのか、それを考えるとワクワクドキドキするわけです。

IoTで将来、何ができるようになるかは、今からは想像が付かないと思います。インターネットを振り返っても、DARPA(米 国防高等研究計画局)でインターネットの原型ができたとき、今のようなインターネットの使い方なんて想像もつかなかったでしょう。1999年にiモードが登場し、モバイルインターネットが現実のものになったときですら、WebゲームやらLINEやらSNSやらで、若者が寝食を忘れてスマホにハマって手放せなくなる世界が来ることは想定しなかったでしょう。おぼろげに便利になるだろうな、というところから、インターネットで言うところのEメールのようなアプリケーションがターニングポイントを作って、世の中を変えていくわけです。IoTも、何か便利になるだろうなというところから始まって、10年後から100年後のどこかで素晴らしいことが起こるような世界を生み出すと思います。

おじさんたちのIoT、若者のIoT

IoTの「Things」を英語の語源から考えてみると、大きな物体というより、比較的小さめの“ブツ”といった印象があります。大型の産業機械などとはちょっと違う印象です。インダストリーの側面から見たIoTは、いわゆる一般的なIoTとはちょっと違っているんですね。ビッグデータの情報を解析して、ジャストインタイムでつながるといったようなソリューションです。それって、インターネットではない他のネットワークでいいんじゃないの?という気がするわけです。インターネットと一般のネットワークを同じと思う人もいるでしょうが、そこにも認識の相違がありそうです。ドイツで提唱されたインダストリー4.0などは、ベアラ(物理的な回線)としてインターネットを使っているだけで、一般的に考えられるインターネットの利用とは概念が違うと思います。インダストリー側から見たIoTは、ビッグデータ解析のためのインフラであったり、M2Mの広域版であったりするのです。これが「おじさんたちのIoT」ですね。

一方で、一般ピープルにとってのIoTは、もっとガジェットみたいなイメージでしょう。インターネットにつながってなにか面白いことができるガジェットです。CADや3Dプリンターなどを使って誰でも手軽にモノ作りができる「メイカーズ」と、Webで資金を調達する「クラウドファンディング」の広がりが、そうしたガジェットの製作を容易にしています。その結果、素人が作ったインターネットにつながるガジェットがたくさん出来てきています。これが「若者のIoT」です。これらはインターネットにつながるモノだからIoTなのですが、それをもってしてIoTと言ってしまっていいのか、悩むところです。

現状のIoTは、ビッグデータを中心とした産業界における「IoT」から、キックスターターを中心にしたガジェットに代表される一般ピープルにおける「IoT」まで、幅広い概念を包含しています。いずれもThingsかもしれないけれど、ある意味で対局にあるともいえるでしょう。

「解」はインフォメーションサービスにあり

それでは、アプリックスはどこにIoTの解があると考えているかというと、基本的にはインフォメーションサービスだと思うわけです。IoTのキーになるのは、インターネット上の「情報」です。なぜそういう結論に達したのか。あらゆるものがネットワークにつながる世界を考えたとき、解決しなければならない課題は案外と気づかないところにあるのです。

ここでIoTの1つのソリューションとして、HEMSを考えてみましょう。家庭のエネルギーマネジメントをするシステムですね。エアコンやテレビや照明などの情報を集めて、エネルギーマネジメントをして、省エネ社会を達成するといったものです。HEMSで一生懸命に省エネのためのマネジメントをしている家庭で、朝、娘さんがドライヤーで髪を乾かしたりすると、いきなり1500Wが消費されてしまいます(笑)。1200円で買えるドライヤーは、HEMS対応の機器にならないんですね。一方で、消費電力が大きいドライヤーやこたつがつながらないとHEMSのマネジメントは遂行できない。このギャップがIoTの課題だと考えています。

ドライヤーやこたつをHEMS対応のデバイスなどにしてIoT化するには、センシングしてネットワークに接続するための部品を入れなければなりません。しかし、部品がどれだけ安くなっても、それだけではすべての「モノ」をネットワークにつなぐことはできないと考えています。ネットワークにつながる付加価値に対して、利用者がコストを負担する気になるかという問題があるからです。1200円で買えるドライヤーと、ネットワーク対応で1500円のドライヤーが並んで売られていたとき、あなたならどちらを買いますか?

天気予報の情報をインターネットから入手して雨の予報を教えてくれる傘立てもいいですが、それよりも多くの人はおしゃれな傘立てを選ぶのではないでしょうか。インターネットにつなぐためのコストは、ユーザーは負担してくれないと考えたほうが良さそうです。欲しい傘立てが1万円で、たまたま天気を教えてくれるならばいいんです。でも天気を七色に光って教えてくれる傘立てが、同じデザインの傘立てよりも1000円高かったら、選んでもらえないでしょう。

そのコストをどうやってカバーするか。それが、あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代を実現するための課題です。モノの価格に転嫁しても、IoT化は進まないでしょう。IoT化のコストをカバーするビジネスができて、はじめてすべてのモノがネットワークにつながるようになるのです。そのためには、コストを情報を使ったサービスで回収しなければならないと考えています。IoT実現のカギがインフォメーションサービスにあるというのは、こういうロジックから導かれた「解」なのです。

(「後編」に続く)

(後略)

(WirelessWire Newsより抜粋)

本件に関するWirelessWire Newsの記事

2015年10月8日
アプリックスIPホールディングス・グループ広報担当

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